Set It Up/セットアップ: ウソつきは恋のはじまり

Set It Up(2018)

セットアップ: ウソつきは恋のはじまり

仕事命のボスが恋をすれば、自由な時間ができるはず。あまりの激務に耐えかねた2人のアシスタントは、互いのボスをくっつけるべく様々な作戦を練るが…?

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少し時間が空いた時には何も考えず気軽に観れるラブロマンスコメディ映画にお世話になりがちです。いい意味でも悪い意味でも展開がわかりやすいお決まりパターンな作品がほとんどですが、同じ境遇の2人がそれぞれの上司をくっつけるという大胆な設定は他で見たことがなく面白そうだと思い今回この作品を選びました。

注意:ここからネタバレを含みます。

25歳のハーパーはスポーツ誌の編集長キリステンのもとでアシスタントとして日々忙しく働く若手のキャリアウーマン。チャールズはハーパーの会社と同じビルに入っている別会社でリックという厳しい上司のもとで同じくアシスタントとしてこき使われながら働く28歳。この2人の若手が忙しさから解放されるためにそれぞれの上司をカップルにさせて自分たちの自由な時間を増やそうと画策します。

まずハーパーとチャールズの出会いのシーンから、2人が同じような立場なのがわかりますね。キリステンのための晩御飯をデリバリーで頼んだハーパーは現金を持っていなくて商品を受け取れず配達員と口論してるところにチャールズが登場。彼は現金を持っていて、ちょうどリックの晩御飯を用意する必要があったので支払って横取りをしました。2人とも上司にご飯を届けることに必死なのが面白いです。

2人はそれぞれの上司のスケジュールから趣味嗜好まで完璧に知り尽くしており、それを利用してついに上司2人をくっつける計画が始動。エレベーターを故意に止めて2人を閉じ込め親密にさせようというアイデアについては、そんな上手くいかないでしょと思っていたところ、途中で知らない男性が入ってきてしまったというのが妙にリアルで笑えました。しかもトイレを我慢できずに漏らしてしまう厄介な男で、結果的に2人とってはなかなか忘れられない体験になったでしょう。

ヤンキースの試合でのシーンもなかなか笑えました。2人を近い席に座らせるところまでは予想できましたが、キスカム(アメリカでよくある試合のタイムアウト中などに行われる、観客の中からランダムに選ばれたカップルがスクリーンに映し出されてキスをするよう誘導されるというなんともアメリカンな娯楽)が出てきた時は展開急ぎすぎでしょうと思わず突っ込みたくなりました。でもこのおかげでその日の夜2人は一緒に過ごしたようで、作戦成功...!

ハーパーはアプリで出会った男性と、チャールズはモデルの彼女と過ごす時間が増えプライベートが充実してきます。そんな中で2人はハーパーの親友ベッカの婚約パーティーに参加。お酒もたくさん飲んで踊ってその日の夜2人は急接近するんですが、チャーリーの家で2人でピザを食べるシーンが素敵で切ない..。お互い絶対に惹かれ合って見つめ合っているのに、理性が働いたのかハーパーがそろそろ行かなきゃと言い帰ってしまいます。でも名残惜しそうな感じまたいいですね。

そしてついにキリステンとリックが結婚することに!展開早過ぎ〜と思って和やかに見ていると、なんとリックの浮気が発覚しました。このせいでハーパーとチャールズは口論になり、ハーパーはキリステンにリックとわざと近付けようとしていたことなど全てを話してクビになってしまいます。一方でチャールズはあのパーティーの日から大切なことは何かを考えさせられたようで、モデルの彼女とは別れ、空港でキリステンにリックとは結婚するなと説得して会社を辞めました。

リックもキリステンも、それぞれチャールズ、ハーパーに辞められてからようやく2人にどんなに助けられていたかにやっと気付いた様子。失ってから気付くものって沢山あります。特にボスの立場だと居るのが当たり前って思ってしまいがちなんでしょうね。キリステンに戻ってきてと言われ、自分の夢を追いたいから戻れないと断ったハーパーは自立していて偉いなと思いました。

最後にチャールズとハーパーがキスするまでのシーンでは、この作品の中で1番の真実の愛というものを見れた気がします。2人で言い合っていたように相手の嫌なところが何個あっても、それでも好きと言えるのが本当の愛なんだろうなぁ。ベッカが言ってましたが、「相手のここが好き、だから好き。」ではなく、「相手のここが嫌い、それでも好き。」と思える人を見つけるのってなかなか難しいことですよね。この2人は確実に「それでも好き」同士だから、付き合ったら確実に最高なパートナーになるでしょう。

同じ目的のために頑張って協力していた2人が惹かれ合って結ばれるというラストはなんとなく想像通りの展開でしたが、こういうほっこりするようなものを求めていたのである意味想像通りでよかったです。終わった後にハッピーな気分になれるのがラブコメのよさですね。仕事が忙しくストレスが溜まっているなんていう方は色々なシーンで共感できるし、所々に散りばめられたユーモアで始まりから終わりまで楽しめる映画だと思います。

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